先日、約1年前に録画しておいた
金曜ロードショーの映画を見ました。
分かる人には分かりますが、
アメコミを実写化した作品です。
元ネタは
突然変異によって
超能力を得た人々「X-men」が
善と悪のチームにそれぞれ分かれて
ドンパチするって感じの漫画なのですが
映画では娯楽性はそのままに、
アメリカ社会に蔓延る
人種・民族差別を強調した
より重い内容にアレンジされています。
この作品の世界では
超能力者は一貫して差別を受ける側であり、
人体実験を受けたり、皆殺しにされ
かかったりと散々な目にあっているので、
人類を滅ぼそうとする敵側の正義にも
説得力があるんですよね。
(上記のように
あくまでも敵サイドの目的は
ミュータントの保護と救済なので
場合によっては協力をしてくれる)
配役も良改変をしていて、
例えば、敵の首領「マグニートー」は
原作では筋肉ムキムキのおっさんなのですが
映画では
ホロコーストの生存者という設定に則り、
ベテラン俳優のイアン・マッケランが
演じています。
ユダヤ人虐殺の被害者が、こんなに
若々しいマッチョメーンのわけがないので
非力な老人に変えたのは素晴らしいと思う。
ウルヴァリンにも
あの
ダサいコスチュームを着せずに
彼の特徴である肉体美を強調する
スタイルへと変更。これがまたカッコ良い。
筋骨隆々としたウルヴァリンが
先ほどの老人には勝てないという
設定も個人的にはGoodに感じます。
(全身に世界最硬の金属
アダマンチウムを移植されているので
磁力を操るマグニートーには
動きを封じられてしまう)
原作がアクション漫画の映画って
間抜けな格好をしたコスプレ軍団が
チャチなCGを多用して暴れるだけの
子供しか喜ばないような駄作ばかりなので
もうやめてくれよーというか
ふざけんなよーって感じになりますが
X-menはちょっと違う。
基本的にはアメコミらしい
肩の力を抜いて気楽に見れる
エンタメ性があるのだけれども、
その中にも骨太な何かがあると思います。
で、ここからが本題です。
私はX-menシリーズは
1からZeroまで視聴済みですが
SAMURAIは駄作との呼び声が高くて
敬遠していました。ガッカリしたくなくて
・・・なんですけど、
HDDの残量がヤバくなったので、
この前、ついに見てしまったのですね。
感想? そうだな・・・
監督も変わっていたし、
もっとギャグみたいな内容だと
思っていたのですが、
まさかここまで
シリアスな映画だとは
思わなかった。
3のクライマックスにおいて、
能力が暴走した最強ミュータント
「フェニックス」を殺したことを悔やみ、
戦うことをやめてしまっていたとは・・・
あのラストからは想像もつかなかったよ!
彼にとって戦うことは
利益が全くない行為なのですが
目の前で苦しんでいる人を見ると
放っておけない性格なんですよね。
根っからのヒーロー気質。
今回も旧友の矢島老人の頼みを聞き、
彼の孫娘であるマリコをヤクザの手から
守るため、必殺の爪をかざしています。
恋人は死ぬわ、実兄は敵になるわ、
記憶は失うわ、ミュータントへの差別は
消えないわとろくな目に合わないんだけど
それでも戦わざるを得ない。
見殺しには出来ない。
心身共に傷つきながらも
命がけで悪と戦うウルヴァリン。
ていうか、シリーズを通して、
何度か死にかかってるし。
(最新作では死んだらしいし)
持論ですけれど、
ヒーローは苦しんでなんぼ
だと思うんですよね。
余裕で勝てる相手を
仲間と一緒にサクッと倒して
恋人とハグしてハッピーエンド
・・・なんてヘドが出るよ。
人間の強さって
むしろ余裕で勝てない敵が相手でも、
仲間が1人もいなくても、
苦しみや悲しみしか
残らない結末になるとわかっていても、
それでも他人の命を守るために
戦えるかどうかで決まると私は思うので。
今回のヴィランである
「シルバー・サムライ」は
自分のためなら
他人の善意を平気で踏みにじり、
あまつさえ命さえ奪おうとする
正真正銘のクズでした。
X-menシリーズの悪役って
どこか憎めない所があるのですが
こいつは本当に許せないヤツだった。
でも、それが逆に
主人公のウルヴァリンと対比になっていて
作品の完成度を高めているんですよね。
監督が代わっても
彼のヒーロー性は変わらなかったし、
十分に堪能することも出来た。大満足です。
ただ、駄目なところも結構あって、
その分を差し引くと賛否両論分かれるのも
無理ないなと思いました。
私は楽しめましたが、
まぁ・・・レンタルするなり
地上波で見るなりして、
面白いと思ったら
BD買えばいいじゃん
って感じの作品でしたね。
以上、感想でした。
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